日本語教育は安全保障になり得る – 大阪校舎 上谷 先生 

2017/03/15

大阪校の特色として多国籍であることが挙げられます。国籍だけでなく日本語を勉強する目的も多種多様で、各々が信じる学習スタイルも様々なので、教える側としては難しさもありますが、その違いを個性として捉えて、それを活かした授業作り・クラス運営ができるので、教師も学習者も恵まれた環境にいると思います。


私が授業をする上で意識していることは、2つあります。一つは学生が教室の外の世界で自信を持って発話し、コミュニケーションできるようになるための授業をすることです。「こんな場面でこんな風に使うんだ」「使ってみたい」とすぐに実生活に役立てられるように教えていきたいです。


もう一つは、「クラスというコミュニティの中で自己表現と対話の機会を多く与える」と いうことです。今はICTの進歩により一人でも日本語学習ができる時代です。そんな中で教室の価値を考えた時に、様々な国から集まった人達で作るクラスで、リアルなコミュニケーションの機会を多く経験して、自分の価値観や考え方を日々 刺激し合える環境こそが、言語を学ぶ教室の最大の意義だと思います。その2つを「両輪」のように考えて、日々授業をしています。


こうしたことの積み重ねで、「日本語で自信を持って発信できる力」だけでなく、国際化、グローバル化の時代に本当に必要な『問題解決力』が培われていくと考えます。特に、外国人が日本社会に溶け込むためには、語学力だけでなく、やはり異質な他者との対話を通して、新たな価値や解決策を見出せる力が必要になってくると思います。そのような力を持った人を育てたいと思っています。


この仕事をしていてやりがいを感じる時は、学習者の自己実現のサポートができたと思った時です。「日本で夢を叶えたい」「よりよい自分になりたい」と思って国からやって来て、大阪校で勉強して、「やっぱりここを選んでよかった」「ここに来たお陰でなりたい自分に近づけた」と思ってもらえれば、これほど嬉しいことはないです。


そして、世界中の人と「個人レベル」でつながれるということです。私達は作られたイメージを通して他国を見てしまいがちですが、個人レベルで知ってみれば同じ人間だということ、「○○人だから」では語れないということがわかります。同じように、日本語を勉強してくれる世界中の学習者に日本に対する良い印象を持ってもらうことができれば、それは立派な安全保障になると思っています。